本日は通院最終日。ここはもう温帯じゃないよ・・・と感じる真夏日でもあり、昼ごはんは久々にボスとみんなと一緒に黒豚のとんかつを食べにいって精をつけることにした。
午後、少し仕事をしてから病院へ。これまでよりも特に暑く感じる。時間も一番暑い時だ。
まずは採血。この前のコメントで実況中継したように、非常につっこみどころのある採血担当さんだった。この炎天下を歩いてきて、汗をかかないわけないのに、腕が少しべたついたのか、「汗?!」と言われたのはいただけない。
採血の後、麻酔科に行く。妊婦さんと二人で、DVDを見るように指示される。胃がんを患った佐藤さん(60)と、帝王切開で赤ちゃんを産む佐々木さん(35)の術前・術後の麻酔にまつわるストーリーだった。これもまた売れない役者が・・・と思ったが、最後のテロップによると看護師さん役は大学病院に所属する本物の方のようだった。
このDVDの中で、佐藤さんも佐々木さんもしきりに「針をさすときは痛いですか」と聞いていた。これが一番多い質問ですとナレーションが流れたが、私はその心配はあまりしたことがない。実は非常に注射慣れしているからであーる。小学校のとき、喘息だった私は、週に1回(金曜日)減感作療法のため、アレルゲンの注射に通っていたので、針をさすことには慣れてしまったようだ。
DVDが終わってから、麻酔科の診察となる。先生は若く、体育会系の印象。麻酔というと不安になる人が多いからだろう、ちょっと宗教チックに思えるくらい、先生はハキハキと明るく、大丈夫感をアピールしていた。
ちなみに、普通はこの説明、手術前夜に先生が入院している部屋に訪れてやるものらしい。しかし、私は日曜入院で前夜は祝日なので、例外として今やることを説明される。そうか、15日に入院しろと言われたのは、その「夜に部屋で説明する」というシチュエーションを守りたかったのではないか? と気づく。確かに、ベッドサイドで語られたほうが、この話はソフトに聞こえるかもしれない。
と思っちゃうくらいに、説明はややヘビー。まず、手術規模が最大の場合を想定して麻酔をしますと説明しながら見せられた資料には、摘出する臓器名が書いてあり、それは先日の先生の説明にあった、「悪性の場合」に該当するものだった。これで間違いないですか? と聞かれるも、いやその前提ではないですから、と答えてしまう。
麻酔科の先生によると、まずは最大の場合を想定して麻酔し、規模が縮小するとわかった時点で麻酔の規模も縮小していくそうだ。
麻酔は全身麻酔と局所麻酔の併用らしく、局所麻酔は硬膜外麻酔というものらしい。脊髄を覆う硬い膜の外側に局所麻酔薬や鎮痛薬が投与されるそう。
意識がまったくなくなるので、自分では、その手術が1時間でも5時間でも、あっという間に終わってしまうそうです。麻酔投与をやめると、15分くらいで目が覚めるらしい。
ここ。ここが私が今回、非常にブルーになっている原因なのよ。あらかじめ、自分で理解してから臓器摘出するのではなく、私の意識がないうちに病状を判断され、摘出される臓器が決まってしまうというところ。もちろん、身体の負担や緊急度を考えると、二度に分けてするなんて非効率だし危険だと思うけど、知らないうちに身体の状態が大きく変わるってのは、やっぱり悲しい。怖いとか、いやだとかではなく、単純に悲しいというのが私の今の感想だ。
説明はわかりやすかったので、質問を求められたけど特になかった。
すると、やはりここで同意サインをさせられた。
いちいち、「この説明を受けましたね」とか読み上げながらチェックされていくので、ああこうやって病院は身を守っているのだなと思う。
終わってから、会計をすませ、ちょっと休んでから外に出る。明日からは母が来るので、入院中通うのに、この炎天下を歩くではなくバスかなんかないかなーと思って検索すると、私の住んでいる駅からこの病院の前の駅まで直通バスがあるではないの! ていうか、なんで気がつかなかったんだろう。こういうの調べるのは得意なはずなのに。まあそのくらい、せっぱつまってたんだろ、私の精神状態が。
というわけで、病院を出てから仕事の引継ぎをしに、チームメンバーのところに行く。一通り説明を終えたところで、S君から紙袋を渡される。中を見ると、ポータブルDVDプレーヤーと、DVDが入っていた。DVDは、絶対あなたが見そうにないものを選びました! と言われたとおり、歴史番組の録画とか、アメリカンコメディー映画とかがあった。ブラタモリ総集編も。でも観るよ、なんか気持ちがフワーッと緩んでしまい、泣きはしなかったけど、「今病院で脅されるんで落ち込んでたのよー」と話してしまう。
私は本当に仕事仲間に恵まれていると思う。こんなに迷惑をかけてしまうのに。さらに仕事では厳しくしてるのに。ううう。
夜は金沢の友人Mさんとお食事をした。Mさんとともに、病気でハンディを持つことで、それを克服しようと色々気をつけたり研究したりして、健常な状態よりもよくなる可能性もある、という前向きな話をたくさんする。
家に帰ったら、名古屋のYちゃんから手作りのかわいいガマ口が届いていて、さらにキュンときた。
実は告白すると、表には出さないものの先日からえらく落ち込んでまして、できるだけ後ろ向きにならないようにものすごく気をつけていたところだったのだ。
このほかにも、メールをいただいたり、さりげなく笑わせてくれたり、たくさんの嬉しいことがあった。ええ、なんとかこれを乗り越えてきますとも。そして前よりも健康になりますとも。ありがとう、あさってからは入院です。
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