今どきの手術は、自己血輸血というシステムがあるらしい。
手術中に輸血が必要が必要になることを想定して、
手術前に少しずつ、採血して血を貯めておくそうだ。
その血を輸血することで、感染症や免疫低下の恐れがなくなるそうだ。
私は貧血気味なので、鉄剤を処方され、毎週400mlずつ、三回にわたって採血することになった。
ちょっと待て。400mlって、小さいペットボトル約1本分じゃん。
献血だって200ml、成分献血は400mlだけど血を返してくれるんでしょ。
しかも一週間に一度って何。
ていうか、私輸血が必要な手術になる可能性が高いのか?!
なんて思っていながらも、人生の初体験というのはどこかわくわくするもので
貯血やったろうじゃんという気持ちにもなった。
まずはDVDを渡され、自宅で観てくるように言われた。
まあ、どのように採血するかの実演ビデオだったのですが、
売れない役者さんってこういうのに出て日給5000円くらいだったりするのかしら
と思いながら観てた。看護師さん役の女性が、なんていうか元ヤンキーっぽい感じで
それがまたリアルだった。
という感じで、不安解消にも理解促進にもならなかったというわけです。
私は献血処女。貧血と低血圧を理由に、献血に貢献したことはない。
ということで、初体験ではありますが、
処方された鉄剤を飲んで、大量採血をするという
自転車操業期間に突入しました。
説明DVDを貸し出されたり、同意書にサインをするなど、かなり大掛かりな様子。
途中で貧血が悪化したら採血はできない、という話を聞き、
早速、B型(私と同じ)の人とO型(何型にも輸血できるらしい)の人の電話番号を控えておくようにするわ私、と言ったら、仕事のチームメンバーに「マ、マジすか・・・」とドン引きされた。
ボスもO型なので、
「万が一のときには私に輸血してください。外で献血して赤の他人に行くより私の中でボスの血が生きたほうがきっと気分いいですよ!」と言ったら「気持ち悪いこと言うな・・・」と言われました。
いや、冗談ですから。そんな冗談でも言ってないとやってられませんて。
ということで、外を歩くだけで熱中症になりそうなこの真夏、何の我慢大会なのか週一回の大量採血に通うとは。案の定、第一回目当日は、6月なのに30度を超える真夏日。採血前なのに倒れそうになりながら病院に行く。
貯血は、看護師ではなく医師が担当しなければならないらしい。
とうので、看護師(女性と男性)が準備してくれたあと、横になって待っていると、
パタンと扉をあけ、すごい勢いで茶髪ロングの若い女性が入ってきた。
その方が、貯血担当のお医者さんだった。
ずいぶん若いお医者さんだなーと思っていたら、いきなり、
「どっちとか、あります?」
えー、どっちって何が?!どっち「とか」って何?!
いや、よく考えれば、左右どちらの腕から採血したいですか?と聞いてるんだと
わかりますけどね。でもでも、わからない人はわからないよ。
そしてその若女子先生は私の腕を消毒し、針を刺した後、スポンジのようなものを渡し
「10秒に一回くらいで」
えーっ、10秒に1回、何すればいいのーっ。
いや、よく考えれば、スポンジを握れってことだと思いますけどね。
でもでもでも、わからない人には・・・。
私は常日頃、仕事上で、自分よりも年下の人たちには、
「主語、述語をつけないと何を聞いてるのかわからない」
「そこで誤解が生まれるから、言葉づかいはしっかりと!」
と啓蒙し続けているのですが、
お医者さんになる勉強には、それが入っていなかったのでしょう・・・
という、つっこみどころ満載の若いお医者さんに比べ、
看護師(女性)のやさしかったこと。美人だけど化粧っけのない、
ちょっと疲れた感じの優しい瞳。ソフトな声で「具合大丈夫です?」と聞かれると
嫁にもらうならこっちだよなー、なんて男目線で考えてしまう私。
あ、貯血の話でした。
そちらのほうは、15分程度で400mlが無事捕獲され、
目の前に「これだけお預かりしました!」と血のパックを見せられ、
そのあと15分くらい休んでから起き上がりましたが、
特になんともなかったです。
炎天下を歩いてきた時のほうがつらかった感じ。
もちろん、そのあとの診察を待っている間、持参した水とお菓子を食べ、
ゆっくりしてから帰りました。家についても特にハードな運動などはせず、
夜10時頃には眠くなって寝てしまったので、特に問題なしです。
と、思ったら。
その二日後くらいにはまんまと風邪をひき、立ちくらみが激しくなった。
まあ気温も安定しなかったので、そのせいもあると思うけど
ちょっと抵抗力がなくなったのかもしれない。
というわけで、現在は二回目の貯血に備えて、鋭意鉄剤補給中でございます。
次もあの若女子先生、つっこみどころ満載の指示を期待しています!
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