とまあ、実況中継のとおり、熱を測ると37.1とか37.2とか微妙な数値が出たわけです。看護師さんに「だるくないですか?」と聞かれるも、いや暑いだけですよ、と答える。採血の結果、ヘモグロビンが足りていたので、めでたく? 貯血となりました。
前と同じ貯血室に行くと、看護師男性は前回と同じ方、女性は前と別の方。この女性が、前回の「優しさで出来てます」というやわらかーい感じとはうってかわって、チャキチャキしたおねえちゃん。明るく、テキパキして、好感度も高い。
そして前と同じ若女子先生。しかし今日は、「熱あるみたいですけど風邪ひいてたりします?」など、普通に話しているではないですか!
前回は看護師の方ともまったく口をきかず、消毒などのタイミングもずれていたのですが、今日は流れるような流れ作業。若女子先生は「あ、私入院中に担当することになりますNです! よろしくお願いしますー」と、これまた好感度高く挨拶してくださった。貯血準備も丁寧な指示があり、つっこみどころがないぞ。
うーむ。憶測だが、これは若女子先生と、前の看護師女性との関係値が、その場の空気に大きく影響していたに違いない。そんなもん影響させないでほしいが。
貯血は順調に15分ほどで終わり、血圧も下がらなかった。前回と違うのは、増血剤のお注射をされたこと。くらっとも来なかったし、15分ほど寝て休んで、腕に止血の包帯をまかれて終了。
そのまま診察を待つ。持ってきた水は飲んでしまったが、用心のために緊急用のアミノバイタルも飲んでおいた。
かなり待たされたので、ああまた何か時間のかかる話があるんだろうなあと思い、診察に呼ばれる。入院の予定を確認した後、先生「ご家族の方と一度お話させていただきたいのですが・・・」
むむっ。もしやそれは、よくドラマで見るアレですか、あの本人のいないところで「実は」と本人にも話せない病状を告知するアレですか、ええっやっぱりアレ、あるんすか!?
と思ってたら、「そのときに話す話を今からしますね」とあっさり言われた。なんだよ、びっくりさせないでくださいよ、先生。
失敗したコピー用紙の裏側に、先生がボールペンで絵を書く。卵巣と子宮のあたりの絵。その下に、今回の手術の可能性をみっつ並べ、それぞれについて何をするのかを書いて説明していく。
内容は、以下のとおり。
1)良性の場合は、腫れた卵巣をとって終わり。(1.5時間くらい)
2)境界性悪性の場合は、子宮、両方の卵巣、大網(胃の下にある臓器だって。転移するとやっかいなところらしい)をとって終わり。(2.5時間くらい)
3)悪性の場合は、上記に加え、骨盤内リンパ節、傍大動脈リンパ節をとる。(7時間以上)
さらにそれぞれの場合のお腹の傷がどのようになるかも説明を受ける。3)の場合は胸の下まで切るらしい。
加えて、予測される危険性についても細かく説明を受ける。出血、感染、腸閉塞、肺塞栓、リンパ液停滞によるむくみなど。
この説明、結構怖いです。先生に「これって、必ず手術前の患者さんに話さなくちゃいけないことなんすか」と聞くと、「そうなんですよ、なので過剰に怖がることはないんですけど、説明の義務はあるんですよ」と言われ(言わせ?)、ちょっと安心しようとするも・・・
その後、最後の超音波検査を受けると画像を見た先生、「これはやっぱりやらなくちゃだめだ」と。「えっ!これに加えて何をやるんですか?」と聞くと、「いや、開腹しなきゃだめだって意味」・・・・・。先生、このタイミングで改めて言われると怖いやん・・・。
予定よりすっかり遅くなってしまったが、会計はまた1万円以上になる。持ち金が足りず、クレジットカードで払う。あら便利。いや、血は採られるわ怖いこと言われるわ金はないわでもう、どうしましょうという感じ。
帰りはまた炎天下を歩き、途中で処方箋薬局にて鉄剤をもらい、会社に戻る。数日前から村上龍の昔の、一番好きな小説を読み直している。これ、私が今まで読んだ本の中で最も好きな三部作で、ものすごい、ものすごい話。こういうときは、綺麗な話や美しい話ではなく、好きな世界観にどっぷりつかるのが良いのだ。
会社に帰って仕事してたら、S君が「今日は早めに帰ったほうがいいすよー」と気をつかってくれる。ボスには百回くらい聞かれた「入院いつからだっけ?」をまた聞かれる。「入院中、三日に一度くらい俺にメール入れてね~」と言われたので、「写真つけますか?」と聞いたら「それはいい・・・」といわれた。ふん、毎回つけてやる。
なんだか、アロマ習っておいてよかったな、なんても思った。腹にでかい傷ができたって、臓器が色々なくなったって、今まで以上に女子力蓄えてやる。アロマでオーラを磨いて(怪しい発言)、平常心保ってやる。負けないわ。ふん。
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